2017年08月30日
”旭面” 初テストダイブ成功・・・!
いよいよ・・・と言っても既に完成が相当遅れているのですが、今日は「旭面」の初水中テストダイブをダイビングプールで行なってきました・・・。

水中に入れて、実際ダイバーが使ってみるという意味では本当の初ダイブテストです・・・!
その初テストダイブのダイバー役というのは、もちろん私自身が行なったのですが、想像以上に旭面・・・出来がよくて快適でした・・・!
万一のトラブルに備えて、呼吸源をスイッチできるように緊急用のタンクやジョイントホース、レギュレターなども用意しましたが、全く必要がありませんでしたね・・・。
気中と理論上では散々上手くいってても、水中に持ち込んで入ると、途端に想像外の問題が発生したりするのがこの水中世界です・・・。
そんな世界で25年もやってきたんですから、嫌というほど色んな出来事とビックリするような経験を沢山してきました・・・。
いくら自分が丹念に自信持って製造したモノとしても、過信は絶対してはいけないと念には念をいれ準備万端で挑みました!
同行してくれたカメラマンが、「入念なところが杉浦さんらしいなー」と褒めてくれていたのか?呆れていたのか・・・?
今回はいきなりコンプレッサーに繋がないで、通常のスクーバタンクに接続できるようにちょっとだけ改造して、ボンベで噴出させる空気量を手動で調整しながら水深3.5mのダイビングプールに初テストダイブとして潜ってみました。
空気嚢と排気バルブをそれぞれ2種類づつ試してみたのですが、どっちがいいというか・・・それぞれがそれぞれの特徴があり、正直どちらがいいのか分かりません・・・。
もうある基本形だけで完成として、付属していく部分はオプションとして、本人達一人ひとりに選択肢として持たせるような形がいいのかもしれないですね・・・。
旭面という道具一つとっても、何せモズク漁師は一人一人皆使い方が違うし、手の入れ方がそれぞれです・・・。
放送や紙面を見て、あちこちの漁協から一体何人の海人が突然店に現れたことか・・・。
皆さんそれぞれ長年やってきたベテラン勢ばかりですから、今まで自分のやってきた内容と道具としての旭面の使い方に兎に角自信を当然持っています。
お陰で、口々に自分が良しとしてきたその使い方を新しい旭面に反映するよう主張するもんですから、製作の途中でどう進めていいのかちょっと悩んだ時期もありました。
また、各々が使っているコンプレッサーの圧力や吐出量もきっとバラバラでしょうし、恐らく安全性の規定値を無視して自分で圧力をガンッと上げてる人も多いだろうから、そんな高い圧力が一気に噴出したときでも、受ける旭面の耐久性は問題ないのかなどが非常に心配なのですが、一人一人のコンプレッサーを拝見して回るわけにも行かず、そこが最後の心配どころと悩みどころなんです・・・。
ただ、今日はタンクからのエアー供給にして、手動で噴出量を調整しながら潜ってみて、水深3.5m程度ならコンプレッサーの規定値以下の吐出量でもダイバーの呼吸量的には全然問題なさそうだということは分かりました・・・。
これが分かっただけでも大きいです!
そしてもう一点!
Sさんのお手製で付けている空気嚢を見立てた自作のバイクのチューブは、もしかして現在のままではほぼ意味がないものなんではないかという事も判明しました・・・。
これは物理学での事になりますが、自分が呼吸する口の位置と肺の高さ、そして第三に溜めてある袋の位置関係が、水中の呼吸のし易さにモロ影響を及ぼします。
例えば忍者はっとりくんの真似をして、竹筒を加えて水とんの術!みたいな真似したことありませんか?
もしくは水道のホースの先を外に出しておいて、その反対側を咥えてわずか1.2m程度のプールの底で呼吸できると思って潜ったことある人いませんでしたか?
どうでした?
吸えたとしても、物凄く苦しかったんじゃないでしょうか?
これを水等差というのですが、水圧は気中と比べて相当密度が濃く変化率が高いため、わずか十数センチの高さの違い・・・、すなわちこれ水圧の差になるのですが、それぞれの臓器だったり受ける部分のそれぞれの水圧が違うと、陸上と同じような正常な呼吸って出来ないんですね!
だから、Sさんの場合、空気嚢代わりのバイクチューブが、空気が通ることによって浮力が付いて上側に浮くので、水中で空気嚢の漂う場所は水圧が一番低くて、水中で立つ姿勢で仕事をするのであれば、口元は空気嚢より下側、そして肺はもっと下側・・・。
一番圧力が高い場所が肺・・・つまり水圧で一番押し潰されてる肺に、十分な空気を送り込もうとしたら、それに等しいかそれ以上の圧力で送り込まないと肺が膨らまない、つまり呼吸ができないというわけです。
だから自然の呼吸としては、一番水圧の低い場所にある空気嚢から空気を送り込みたい一番水圧の高い肺までの距離と高さ、水圧差では吸えないということです!
でも、それでも普通に呼吸して仕事しているということは、空気嚢の溜めを本来必要としないくらい、コンプレッサーから送られてくる空気の量と圧力でまかなえてると言うことだと思います。
つまり、Sさんの場合、バイクチューブを取り外してもほぼ同じ呼吸感なんだろうと思います。
でも、それ言っても絶対外さないだろうなー・・・。
それが海人というものですから・・・。
それでもバイクチューブ(空気嚢)を本来の意味として活用したいとするのならば、あのチューブの位置を口元と同じ高さか、肺よりほんのちょっと下側辺りにもってくれば本来の威力を発揮するでしょう。
結局これはリブリーザーの仕組みとほぼ同じで、空気嚢はリブリーザーのカウンターラングのような役割も果たしているわけです。
旭面の生みの親、日本人の浅利さんは実は大正時代に既に今のリブリーザーの仕組みであるカウンターラングの原型を既に考案して製品として作っていたという事です・・・。
凄いですよねー!
日本人!
私も、リブリーザーを使うので、この空気嚢の仕組みと意味がすぐに分かりました。
オリジナルの旭面の空気嚢が耳の真横に付いているのもそういった理由からだと考えられます。
ですが、今日、どんなコンプレッサーにも最低限それだけの吐出量が確保できるのなら、かえって抵抗と浮力になって仕事の邪魔になるだろうから外しても差し支えないんじゃないかな?
ということも今日のテストダイブで感じたのです・・・。
どっちにせよ、次回は最終テストとして船からコンプレッサーのホースに繋いで実際の海域に私が直接潜って最終テストダイブをします。
水深もいけるところまで潜ってみようと思います!
データというものが一切ないので、自分でテストしながら作っていくしかないんです!
メチャクチャ楽しいし、メチャクチャ嬉しいです!
長年、本当に海とダイビングに携われてきて、こんなやりがいのある幸せな取り組みに出会えるなんて・・・。
感謝感激です!
アサヒセンスイ
http://asahi-scuba.jp

水中に入れて、実際ダイバーが使ってみるという意味では本当の初ダイブテストです・・・!
その初テストダイブのダイバー役というのは、もちろん私自身が行なったのですが、想像以上に旭面・・・出来がよくて快適でした・・・!
万一のトラブルに備えて、呼吸源をスイッチできるように緊急用のタンクやジョイントホース、レギュレターなども用意しましたが、全く必要がありませんでしたね・・・。
気中と理論上では散々上手くいってても、水中に持ち込んで入ると、途端に想像外の問題が発生したりするのがこの水中世界です・・・。
そんな世界で25年もやってきたんですから、嫌というほど色んな出来事とビックリするような経験を沢山してきました・・・。
いくら自分が丹念に自信持って製造したモノとしても、過信は絶対してはいけないと念には念をいれ準備万端で挑みました!
同行してくれたカメラマンが、「入念なところが杉浦さんらしいなー」と褒めてくれていたのか?呆れていたのか・・・?
今回はいきなりコンプレッサーに繋がないで、通常のスクーバタンクに接続できるようにちょっとだけ改造して、ボンベで噴出させる空気量を手動で調整しながら水深3.5mのダイビングプールに初テストダイブとして潜ってみました。
空気嚢と排気バルブをそれぞれ2種類づつ試してみたのですが、どっちがいいというか・・・それぞれがそれぞれの特徴があり、正直どちらがいいのか分かりません・・・。
もうある基本形だけで完成として、付属していく部分はオプションとして、本人達一人ひとりに選択肢として持たせるような形がいいのかもしれないですね・・・。
旭面という道具一つとっても、何せモズク漁師は一人一人皆使い方が違うし、手の入れ方がそれぞれです・・・。
放送や紙面を見て、あちこちの漁協から一体何人の海人が突然店に現れたことか・・・。
皆さんそれぞれ長年やってきたベテラン勢ばかりですから、今まで自分のやってきた内容と道具としての旭面の使い方に兎に角自信を当然持っています。
お陰で、口々に自分が良しとしてきたその使い方を新しい旭面に反映するよう主張するもんですから、製作の途中でどう進めていいのかちょっと悩んだ時期もありました。
また、各々が使っているコンプレッサーの圧力や吐出量もきっとバラバラでしょうし、恐らく安全性の規定値を無視して自分で圧力をガンッと上げてる人も多いだろうから、そんな高い圧力が一気に噴出したときでも、受ける旭面の耐久性は問題ないのかなどが非常に心配なのですが、一人一人のコンプレッサーを拝見して回るわけにも行かず、そこが最後の心配どころと悩みどころなんです・・・。
ただ、今日はタンクからのエアー供給にして、手動で噴出量を調整しながら潜ってみて、水深3.5m程度ならコンプレッサーの規定値以下の吐出量でもダイバーの呼吸量的には全然問題なさそうだということは分かりました・・・。
これが分かっただけでも大きいです!
そしてもう一点!
Sさんのお手製で付けている空気嚢を見立てた自作のバイクのチューブは、もしかして現在のままではほぼ意味がないものなんではないかという事も判明しました・・・。
これは物理学での事になりますが、自分が呼吸する口の位置と肺の高さ、そして第三に溜めてある袋の位置関係が、水中の呼吸のし易さにモロ影響を及ぼします。
例えば忍者はっとりくんの真似をして、竹筒を加えて水とんの術!みたいな真似したことありませんか?
もしくは水道のホースの先を外に出しておいて、その反対側を咥えてわずか1.2m程度のプールの底で呼吸できると思って潜ったことある人いませんでしたか?
どうでした?
吸えたとしても、物凄く苦しかったんじゃないでしょうか?
これを水等差というのですが、水圧は気中と比べて相当密度が濃く変化率が高いため、わずか十数センチの高さの違い・・・、すなわちこれ水圧の差になるのですが、それぞれの臓器だったり受ける部分のそれぞれの水圧が違うと、陸上と同じような正常な呼吸って出来ないんですね!
だから、Sさんの場合、空気嚢代わりのバイクチューブが、空気が通ることによって浮力が付いて上側に浮くので、水中で空気嚢の漂う場所は水圧が一番低くて、水中で立つ姿勢で仕事をするのであれば、口元は空気嚢より下側、そして肺はもっと下側・・・。
一番圧力が高い場所が肺・・・つまり水圧で一番押し潰されてる肺に、十分な空気を送り込もうとしたら、それに等しいかそれ以上の圧力で送り込まないと肺が膨らまない、つまり呼吸ができないというわけです。
だから自然の呼吸としては、一番水圧の低い場所にある空気嚢から空気を送り込みたい一番水圧の高い肺までの距離と高さ、水圧差では吸えないということです!
でも、それでも普通に呼吸して仕事しているということは、空気嚢の溜めを本来必要としないくらい、コンプレッサーから送られてくる空気の量と圧力でまかなえてると言うことだと思います。
つまり、Sさんの場合、バイクチューブを取り外してもほぼ同じ呼吸感なんだろうと思います。
でも、それ言っても絶対外さないだろうなー・・・。
それが海人というものですから・・・。
それでもバイクチューブ(空気嚢)を本来の意味として活用したいとするのならば、あのチューブの位置を口元と同じ高さか、肺よりほんのちょっと下側辺りにもってくれば本来の威力を発揮するでしょう。
結局これはリブリーザーの仕組みとほぼ同じで、空気嚢はリブリーザーのカウンターラングのような役割も果たしているわけです。
旭面の生みの親、日本人の浅利さんは実は大正時代に既に今のリブリーザーの仕組みであるカウンターラングの原型を既に考案して製品として作っていたという事です・・・。
凄いですよねー!
日本人!
私も、リブリーザーを使うので、この空気嚢の仕組みと意味がすぐに分かりました。
オリジナルの旭面の空気嚢が耳の真横に付いているのもそういった理由からだと考えられます。
ですが、今日、どんなコンプレッサーにも最低限それだけの吐出量が確保できるのなら、かえって抵抗と浮力になって仕事の邪魔になるだろうから外しても差し支えないんじゃないかな?
ということも今日のテストダイブで感じたのです・・・。
どっちにせよ、次回は最終テストとして船からコンプレッサーのホースに繋いで実際の海域に私が直接潜って最終テストダイブをします。
水深もいけるところまで潜ってみようと思います!
データというものが一切ないので、自分でテストしながら作っていくしかないんです!
メチャクチャ楽しいし、メチャクチャ嬉しいです!
長年、本当に海とダイビングに携われてきて、こんなやりがいのある幸せな取り組みに出会えるなんて・・・。
感謝感激です!
アサヒセンスイ
http://asahi-scuba.jp
この記事へのコメント
楽しそうで何よりです。完成品を楽しみにしております。
Posted by 敏虎 at 2017年09月07日 12:41
※このブログではブログの持ち主が承認した後、コメントが反映される設定です。