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2012年06月14日

釣り糸撤去作業/残波岬

今日は毎年恒例になった、「ダイビング安全対策協議会」と「財団法人日本釣振興会」との連携での、海中の釣り糸撤去作業ダイビングを行いました・・・。

釣り糸撤去作業/残波岬


今年は例年より多くのダイバーが集まり、残波岬沖で潜水作業を実施しました。

元々残波沖は水深が深く流れもあるので、募集したダイバー達もそれなりのスキルと実績のあるダイバーだけを集めてのown risk での作業です!

朝のミーティングでは、「なるべく皆さん減圧を出さないように気を付けてお願いします!」とは言いますが、そんなのはあくまでも形式だけの社交辞令・・・。

だって、ターゲット水深が元々水深45mオーバーなんだから、減圧出さなきゃ作業にならないし・・・。

ファンダイブで、ちょろっと魚見て写真撮ってすぐ上がってくるわけじゃないんだから・・・。

みんな、好奇心旺盛なショップのインストラクターやベテランガイド達、その中でも経験豊富なバリバリの現役ぞろいが集まっているので、皆んな言わずともはじめから減圧ダイブを100%視野に入れて望んでたのが現実です・・・。

中には25%のナイトロックスと40%のナイトロックスをこの為に製造して持ち込んできたショップさんもいたほどです・・・。

正直言って、前日から集まるメンバーと装備状態を聞いて、なんか趣旨が違ってきているんじゃないか?と、僕は感じでいたほどです・・・。

しかしディープダイブに絶対の自身がある・・・、山のように経験がある・・・、減圧理論は理解しているつもり・・・、だけじゃ、このこういったダイビングと作業はとてつもなく危険だという事が如実に現れた1日でもありました・・・。

ポイントは45m付近での撤去作業を2本。

1名が浮上中エアー切れ・・・。

減圧停止が出来ないでそのまま浮上。

EANx40を急遽ボートから受け取って、再び減圧停止をし直す為に再度停止深度まで戻る羽目になったり。

別のダイバーは、スタート段階から10Lタンクで130barしかないのに、45mへ・・・!

案の定、停止中にこれまたエアー切れ・・・。

近くにいた他のダイバーからオクトを貰ったが、潮に流されながら停止していたのでボートから離れた場所で浮上・・・。

もう1名は、いつまでたっても減圧が終わないみたいで、水中で停止したままいつまでも上がってこない・・・。

よくよく聞いてみたら、コンピューターにインプットしたナイトロックスの%を間違えてインプットしていたとの事・・・。


釣り糸撤去作業/残波岬

そんな一方、私はと言えば、これまた周囲からは分りづらい自分の中での自分との戦いを繰り広げる羽目となりました・・・。1本目は46mでの作業でしたが、用意されたタンクの中で若干数12Lタンクがあったのでそれを使用。

水底で山のように絡み合っている釣り糸の玉、30kgくらいをロープでまとめて、リフトバッグで軽く吊り上げ、そのまま船のアンカーロープにシャックルで通し、そこからエアーを更に吹き込んで一気に水面に打ち上げ、後は身軽になって酸素減圧をして問題なく終了・・・。

2本目・・・。

もう大き目のタンクがない!というので、仕方なく10Lタンクを装着・・・。

1本目よりタンクが小さくなったので、1本目以上深く、または長く潜らないように心がけていたのですが、大先輩でもある僕の超ベテランバディが、水底で "あっちだ!あっちだ!もっと大きい釣り糸の玉があるからこっちに来い!"とばかりに、手招きをし、アンカーロープからどんどん離れていく・・・。

仕方なく後を追って行くと、その先に糸で絡み合っている40kgくらいある大きな玉を見つけ、またまたロープでひとまとめにしはじめたその場所が水深49mちょっと・・・。

ほぼ50mでした・・・。

背中には10Lのシングルタンク・・・。

不安を抱えつつも、作業続行・・・。

リフトバッグに少しエアーを吹き込んで持ち上げるが、40kgが持ち上がらない・・・。

どうやら四方に張り巡らされた釣り糸があっちこっちに伸びていて、引っかかって揚がらないのだ・・・。

兎に角時間が勝負なので、慌てて引っかかっている糸を切断するため周囲を何十本も切断しながらグルリと泳ぎ回った・・・。

結構な運動量になってしまった・・・。

釣り糸撤去作業/残波岬

最後の釣り糸を切断して、今度は大分離れたアンカーまでその40kgを押して泳ぐのだが、重くて一向に前に進まない・・・。

おまけにアンカーの方向が潮の流れに向かって泳ぐ位置になっている・・・。

潮に押し戻される重い40kgの釣り糸の束が前に進まない・・・。

現在水深ほぼ50m・・・。

10Lのシングルタンクのエアーが・・・。

減圧はもう当然入っている・・・。

一瞬この釣り糸の束をこのまま放棄して浮上をはじめようとも思ったが、手ぶらでは上がれない!というつまらない羞恥心が邪魔をしてどうしても手放すことが出来ない自分がいる・・・。

アンカーに向かって、フィンが折り曲がるんじゃないかと言うくらい、これでもかと言うくらいひたすら漕いている・・・。

その時初めて、Apeksの1stに付いているオーバーバランスシステムが全く利かなくなった状態を体験した・・・!

あまりにも激しい呼吸リズムになってしまったので、毎呼吸の吸い終りにエアーの供給が足りなくなって、尻つぼみに渋くなって苦しくなる現象を、なんと大深度潜水が売りのApeksのレギで50mで引き起こしてしまった・・・。

逆に考えれば、それでもまだApeksだったから吸えたのかも・・・。

もし違うレギだったら・・・と思うとぞっとする・・・。

そんなことを考え出したら、一気にネガティブ思考が増幅されて、頭の中でパニックに向かおうとする自分と、それを抑え込もうとする自分との戦いが久し振りに始まっていた・・・。

ハードなダイビングになってしまった時、時々こんなことが始まるが、結局いつも "抑え込みが" が勝利してきたのだが、この瞬間を乗り越えるまでの間が本当にいや~な時間である・・・。

何とか、アンカーロープにたどり着いた・・・!

しかし、アンカーロープに引っ掛けるはずのシャックルが、釣り糸の束の中に隠れてしまい引き出せない・・・。

またまた仕方なく40kgの束を片手に持ちながら、浮上を開始!

心細い残圧も、何とか全ての停止にちゃんと使えそうだ!

その間、リフトバッグの浮力調整もしながら片手で保持しながら上がり、減圧停止もしないとならないので実はてんやわんや!

途中釣り糸が2ndに引っかかって口からもぎ取られたりと、色々難関を乗り越え、何とか酸素減圧も終わらせ、無事生還・・・!

いくらディープダイブやテクニカルに精通しているだのといっても、やはりレジャーダイブと作業ダイブは別物・・・!

簡単に考えてたら、それこそ命取りである・・・。

今日はまたまた一ついい経験と勉強になった!

今回の教訓から思うことは、次回の釣り糸撤去の時は、どんなに自腹でも自分の14Lマイタンクだけは持って行こう・・・。

そして、何といっても先輩バディの誘いには乗らないこと・・・!

釣り糸撤去作業/残波岬

皆さん、セーフティーダイブで・・・!




O2DIVE OKINAWA/旭潜水技研
http://www7.ocn.ne.jp/o2dive



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Posted by TAKEちゃん at 20:23│Comments(4)作業潜水
この記事へのコメント
めちゃくちゃ良いブログですね!犬を助けたり釣糸を命がけで撤去したり、本当に尊敬します!だけど一つだけ言いたいことがあります!
自分の体を大事にしてください!ブログを読みながら、とてもヒヤヒヤしました(((・・;)やなつりさーのゴミで命を落とした日には死んでも死にきれないですよ!
このブログをみてこれからは自分もちいさいながら色々な協力をしていきたいと思いました(^^)
応援しています。これからも安全第一で頑張ってください!
Posted by 通りすがり at 2012年06月14日 20:56
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→通りすがりさん

コメントありがとうございます!

これからも何とか死なない程度に頑張りますね!

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Posted by TAKEちゃん at 2012年06月15日 16:26
TAKEちゃん・・・・・・体大丈夫??あんまり無理しないで下さいね。さて、先ほどお店にお電話をしたのですが・・・・・・・・切れてしまいましたのでまた明日にでもお電話をさせていただきます。
Posted by たっきー at 2012年06月25日 20:01
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

→たっきーさん

昨日はすいません!
通話と終話ボタン間違えて切ってしまいました・・・。
かけなおそうと思ったんですけど、非通知だったので番号が分りませんでした・・・。
よかったら、またかけて下さい!
お待ちしています!

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
Posted by TAKE-chan at 2012年06月26日 11:56
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