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2016年09月30日

アジアの風・・・エモンズの物語りはどうなる・・・?

ミュージシャンの浜田省吾さんが、今月から2016年の全国コンサートツアーを開催しています!

そのステージ上の巨大バックスクリーンに映し出す映像で、僕が撮影したUSS Emmonsやその他の発見した沈飛行機などの水中映像が使われています・・・。

テーマタイトルは「アジアの風」

よかったらコンサート行って見て下さい!

私は招待を頂いたので、10月の大阪城ホールにいってきます!


アジアの風・・・エモンズの物語りはどうなる・・・?


古宇利島の沖合いに、USS Emmons という71年前に特攻攻撃によって大破して沈んだ米軍艦があります・・・。

そこには60数名の米軍兵と、1名の日本の特攻兵の魂が "今" もそこに存在している・・・。

それはこの先も永遠と替わることはありません・・・。

今でこそそこに観光客ダイバーを引率するガイドやダイバーは、その沈没船が「USS Emmons」だと最初から知らされていて、インターネットの何かしらの文章からその大まかなストーリーを読んだ知識で案内する・・・。
そして港に行けば船が用意されていて、ポイント上に付けばボートを係留するブイとロープがある・・・。

僕らがエモンズを見付けて潜り始めた16年前には何もなかった・・・。

見付けてそこに沈んでいる巨大な船が、一体なんという船なのか?どこから来たのか?後に分かる USS Emmons だということすら知らなかった・・・。
まだ古宇利島には橋はかかっていない離島だった頃で、対岸の今帰仁漁港まで丸々支払うチャーターした船のみで沖合いにさがしに出ていた・・・。

当然まだブイやロープなどなかったので、毎回魚探で位置を探してアンカーを投げ込んでいた・・・。

かかったアンカーがどうしても外れなくて、ようやく減圧が終わって船上に戻ってきたと思いきや、しかたなくまた45mまで残りわずかな残タンのエアーのみで一気に潜り、手でアンカーを外してくるという、むちゃくちゃなダイビングをせざるを得ない事など何度もありました・・・。

その内、今はなくなってしまったがあるショップの男が、漁協にバレないようにと、水面から見えないように隠して水中ブイを入れたことから、その後の利便性も考えて島のボートを専属的に使うことで漁協に黙認してもらおうとみんなで協力して現在の様な形になった・・・。

そして真剣になって調べて、夢中になって調査して、あれがUSS Emmonsだと特定できて、あれからまだ続いている調査によって、ここ最近ではやはりエモンズに特攻した1名の日本兵の遺骨も海底に存在しているであろうことが判明してきました・・・。

アジアの風・・・エモンズの物語りはどうなる・・・?


私は少なからず、発見から現在まで一貫して最前線であのポイントを調査し調べてきたことで、風化しつつある実在した「水中に隠された歴史の物語り」を知ることが出来ました・・・。

ここ最近、港で新しく次から次へと参入してくる若いダイビング屋さんやガイドさんと一緒になりますが、あの場所が持っているかつて地球上の歴史を動かした唯一無二の物語はどうやらゲストに伝えているショップさんはかなり少ないようです・・・。

教えてあげようとすると、上から目線や偉そうにされるような気分になるので、年上や先輩とかかわるのはなぜか嫌なようです・・・。

とは言え、あの場所をあたかも単なるレックの体験ダイビングの様な場所に使うのは、あまりにも乏しく悲しすぎると感じるのは歳のせいでしょうか・・・。

僕がこんな事をもう語らなくなったら、誰も歴史の証人とも言えるあの貴重な場所を、よもや歴史上貴重な場所と気がつかなくなって風化していくのだろうか・・・。

自分達のルーツを自分達で蓋をしてしまうのはとても残念でならないなー・・・。

僕がエモンズを潜って調べてきて知った事は、今日の日本人が育んでいる日本という国は、実はわずか71年間しかまだないと言うこと・・・。

それだけ重要な出来事と、貴重な場所です・・・。

そしてそれをれっきとした物語として持っているのが、あのUSS Emmons というレックポイントなのです・・・。



アサヒセンスイ
http://asahi-scuba.jp



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