2009年08月17日
置いてかないで~・・・!
先月「海底戦跡保全調査会」のメンバー達と、遠征してきた日本海!
何しに行って来たって?
ちょっと日本の歴史を探索に・・・。
海底の砂地の下からは、あたかも古そうな船の残骸が次から次へと出てきます・・・!

よく見ると折れた断面が炭化しているので、木造船の破片かと思いきや、
ズッシリと重いではないか!
また、何だかデザインを施されたようなパーツにも見える・・・。
何か貴重な物ではないだろうかと引き揚げようとしたのだが、おっ重い!
兎に角重くてとても手だけじゃ引き揚げられそうにない。
そこで、リフトバッグの登場!
リフトバッグをリフトバッグとして使用するのは、すごーい久しぶり。

水中でバッグ内に少しづつエアーを入れて中性浮力に浮かせ、引っ張って船のアンカーラインまで戻ることにした!
しかしこの周辺一体は、なーんにも目印のない、ただただひたすら真っ平らな砂地!船のアンカーラインまでは、恐らく直線距離にして150m位離れていたはずだ。
一般的にこのような目標も目印も何にもない平坦な場所だと方向感覚がなくなり、よくあるパターンとしては元の場所に戻れなくなることがほとんどだ!
おまけに中途半端に、やや斜めに潮の流れが入っている・・・。
そこで僕と相棒のH君はリールラインを張ることにした。
出発地点である船のアンカーにリールのラインを結び、行きは送り出しながら、帰りはそのラインを巻き取りながら帰ってくればいい!
そんな単純な直線的なダイビングだったのだが、僕はやたらと重い獲物を見付けて、ゼーゼーハーハー、リフトバッグを浮かせて引っ張りながら斜めに潮の流れに向かって泳ぐ!
浮かせたリフトバッグにも潮の流れの抵抗を受けるので、想像以上に進まない・・・。
何も手にしていない相棒のH君はラインを軽快に巻き取りながら泳ぐ!
しかし・・・、あれれ、前方のH君が透明度の彼方に少しづつ消えていく・・・!
しかも帰りの道しるべとなるラインを軽快に巻き取りながら・・・!
「ちょっと!」「Hくーん!」・・・、「お~い!」「もう少しゆっくりー!」「Hくーん!」・・・、「ちょっと待ってー!」「ちょっと待てってー!」・・・・・・・。
「テメー!待て、この野郎!」「待てって言ってんじゃねーか!」「おい!コラー!H!」「止まれー」「バカヤロー!」・・・・・・・・。
レギュレターを咥えながら叫ぶも、H君の耳には届いていないようだった・・・。
重いものを引っ張って、抵抗を受け流れに向かって、そして叫びながら・・・、息も絶え絶え・・・。
呼吸は乱れまくり、仕方なく途中で一旦止まって休息・・・。
その間もH君はマイペースにそして軽快に、そして一度も僕を振り向くことなく透明度の彼方にラインとともに確実に消え去っていくのだった・・・。
あーあ、置いてかれちゃった・・・。
これ引っ張ったままでピンポイントで戻れるかなー・・・。
最悪ここから浮上したとしても、減圧用の酸素は出発点のアンカーの脇においてきたから、減圧も含めてエアー足りるかな・・・?

その間も間違いなく流されていくから、船長ちゃんと俺のこと発見できるかなー・・・。
などなど・・・。
咄嗟にH君が消えていった方角に、すかさずコンパスを合わせるも、ちょっと不安・・・。
これ、ここに捨てて行っちゃおうかなー、やっぱり引き揚げようかなー・・・、どうしようかなー・・・。
だだ広っい水底でちょっと不安に打ちひしがれていると、途中で相棒の姿を見失ったことにやっと気が付いた大佐がUターンしてきた!
「Hく~ん!!!」。
ほんのごくわずかな時間でのことでしたが、こんな時、怒りよりも喜びのほうが先に来ることを身をもって感じたのでした!
普段のガイドダイビングで、自分が置いていかれるシチューエイションなんてまずないことなので、この時ばかりは実にいい経験をしました。
こんな時のゲストの心理状態の一部を身をもって体験したというかなんと言うか・・・。
これを機に、ちょっと真剣にメンバー内で、実践的な「トラブルシューティング」と「メンタルトレーニング」を組み込もうかと考えてます!

O2DIVE OKINAWA/旭潜水技研
http://www7.ocn.ne.jp/~o2dive
何しに行って来たって?
ちょっと日本の歴史を探索に・・・。
海底の砂地の下からは、あたかも古そうな船の残骸が次から次へと出てきます・・・!
よく見ると折れた断面が炭化しているので、木造船の破片かと思いきや、
ズッシリと重いではないか!
また、何だかデザインを施されたようなパーツにも見える・・・。
何か貴重な物ではないだろうかと引き揚げようとしたのだが、おっ重い!
兎に角重くてとても手だけじゃ引き揚げられそうにない。
そこで、リフトバッグの登場!
リフトバッグをリフトバッグとして使用するのは、すごーい久しぶり。
水中でバッグ内に少しづつエアーを入れて中性浮力に浮かせ、引っ張って船のアンカーラインまで戻ることにした!
しかしこの周辺一体は、なーんにも目印のない、ただただひたすら真っ平らな砂地!船のアンカーラインまでは、恐らく直線距離にして150m位離れていたはずだ。
一般的にこのような目標も目印も何にもない平坦な場所だと方向感覚がなくなり、よくあるパターンとしては元の場所に戻れなくなることがほとんどだ!
おまけに中途半端に、やや斜めに潮の流れが入っている・・・。
そこで僕と相棒のH君はリールラインを張ることにした。
出発地点である船のアンカーにリールのラインを結び、行きは送り出しながら、帰りはそのラインを巻き取りながら帰ってくればいい!
そんな単純な直線的なダイビングだったのだが、僕はやたらと重い獲物を見付けて、ゼーゼーハーハー、リフトバッグを浮かせて引っ張りながら斜めに潮の流れに向かって泳ぐ!
浮かせたリフトバッグにも潮の流れの抵抗を受けるので、想像以上に進まない・・・。
何も手にしていない相棒のH君はラインを軽快に巻き取りながら泳ぐ!
しかし・・・、あれれ、前方のH君が透明度の彼方に少しづつ消えていく・・・!
しかも帰りの道しるべとなるラインを軽快に巻き取りながら・・・!
「ちょっと!」「Hくーん!」・・・、「お~い!」「もう少しゆっくりー!」「Hくーん!」・・・、「ちょっと待ってー!」「ちょっと待てってー!」・・・・・・・。
「テメー!待て、この野郎!」「待てって言ってんじゃねーか!」「おい!コラー!H!」「止まれー」「バカヤロー!」・・・・・・・・。
レギュレターを咥えながら叫ぶも、H君の耳には届いていないようだった・・・。
重いものを引っ張って、抵抗を受け流れに向かって、そして叫びながら・・・、息も絶え絶え・・・。
呼吸は乱れまくり、仕方なく途中で一旦止まって休息・・・。
その間もH君はマイペースにそして軽快に、そして一度も僕を振り向くことなく透明度の彼方にラインとともに確実に消え去っていくのだった・・・。
あーあ、置いてかれちゃった・・・。
これ引っ張ったままでピンポイントで戻れるかなー・・・。
最悪ここから浮上したとしても、減圧用の酸素は出発点のアンカーの脇においてきたから、減圧も含めてエアー足りるかな・・・?
その間も間違いなく流されていくから、船長ちゃんと俺のこと発見できるかなー・・・。
などなど・・・。
咄嗟にH君が消えていった方角に、すかさずコンパスを合わせるも、ちょっと不安・・・。
これ、ここに捨てて行っちゃおうかなー、やっぱり引き揚げようかなー・・・、どうしようかなー・・・。
だだ広っい水底でちょっと不安に打ちひしがれていると、途中で相棒の姿を見失ったことにやっと気が付いた大佐がUターンしてきた!
「Hく~ん!!!」。
ほんのごくわずかな時間でのことでしたが、こんな時、怒りよりも喜びのほうが先に来ることを身をもって感じたのでした!
普段のガイドダイビングで、自分が置いていかれるシチューエイションなんてまずないことなので、この時ばかりは実にいい経験をしました。
こんな時のゲストの心理状態の一部を身をもって体験したというかなんと言うか・・・。
これを機に、ちょっと真剣にメンバー内で、実践的な「トラブルシューティング」と「メンタルトレーニング」を組み込もうかと考えてます!
O2DIVE OKINAWA/旭潜水技研
http://www7.ocn.ne.jp/~o2dive
Posted by TAKEちゃん at 02:03│Comments(4)
│海底戦跡
この記事へのコメント
基本を忘れていると思いますよ。
アウェアネス注意力の後に「トラブルシューティング」と「メンタルトレーニング」がきます。
アウェアネス注意力なく、一・二・三で各々が思い思いにアクションするから起こることです・・・。
厳しく言えばバディシステムも機能していない感じではないでしょうか?
アウェアネス注意力の後に「トラブルシューティング」と「メンタルトレーニング」がきます。
アウェアネス注意力なく、一・二・三で各々が思い思いにアクションするから起こることです・・・。
厳しく言えばバディシステムも機能していない感じではないでしょうか?
Posted by 介護士 at 2009年08月17日 23:35
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
おっしゃるとおり!
アドバイスありがとうございます!
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
おっしゃるとおり!
アドバイスありがとうございます!
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
Posted by TAKE at 2009年08月18日 01:27
3日目はこんなものがあったんですねー
探し物じゃなかったにせよ、今後への可能性を秘めた拾得物ですねー
ひとりぼっちになっても寂しく無いように次からipodでも持っていこうかな?
探し物じゃなかったにせよ、今後への可能性を秘めた拾得物ですねー
ひとりぼっちになっても寂しく無いように次からipodでも持っていこうかな?
Posted by せらぴぃー at 2009年08月18日 14:21
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
やはり、年代ものは砂に埋まっていますね。
一度、探知機かけられたら面白いもの沢山出てきそうですよ!
色んな意味でも、海でのダイビングはダイバー自身だけではなく船長との阿吽の呼吸も重要なので、船長自体も教育していかないとなりませんね!
なんせあの地域の方たちはダイビングの事全く知らないから、そういった不安もありますよ。
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
やはり、年代ものは砂に埋まっていますね。
一度、探知機かけられたら面白いもの沢山出てきそうですよ!
色んな意味でも、海でのダイビングはダイバー自身だけではなく船長との阿吽の呼吸も重要なので、船長自体も教育していかないとなりませんね!
なんせあの地域の方たちはダイビングの事全く知らないから、そういった不安もありますよ。
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Posted by TAKEちゃん at 2009年08月18日 19:48
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