2009年06月20日

ベニヤの戦闘機・・・

今年もまた、もうすぐ「慰霊の日」がやってくる・・・。

先日もいつものように、海底に沈む戦跡調査を巡り、ある離島のおじいさんからこんな台詞を聞かされた・・。

「昔、俺が若いときにはあの浜の沖にゼロ戦が落ちて沈んでいたよ」・・・。
「でもその後すぐにバラバラになっていって、今じゃ影も形もなくなってしまったよ」「何て言うの、あれは・・・、日本の戦闘機はベニヤで出来てたの?」「張りぼてか?」と・・・・。

ベニヤの戦闘機・・・


皮肉だったのか?、実感してそう思ったのか?、どっちにしろ何だか悲しかった・・・。

終戦間際、日本にはもう既に戦えるだけの資源や物資は何もなかったと聞いている。
確かにその方が言ってたように、実際日本の戦闘機はドンドン鉄板が薄くなっていき、最後はペラペラの機体で、一部の特攻機として使われた飛行機の中には、更に部分的に木のベニヤで作られた機体もあったと聞く・・・。

ベニヤの戦闘機・・・


こんなもので勝てるわけがない・・・。

と言うよりも、最後の最後の日本の抵抗としての結果がベニヤだったのか・・・。

そうであったら、余計虚しくなる・・・。

どうりで海底では、米軍のものばかりで日本軍のものは殆ど見かけないわけだ・・・。

実際、戦況的に、沖縄の手前フィリピン/レイテ海戦で、日本海軍は事実上の玉砕をしているから、もう沖縄周辺では、軍事的な海底での爪あととしては特攻機の破片位しかない・・・。

特攻機の破片くらいしかないはずなのに、その破片すら、ペラペラの鉄板とベニヤであっという間に朽ちてなくなっていってしまう・・・。
物理的に残された鉄の塊のエンジンですら、あっという間にサンゴに覆い尽くされ、サンゴ礁の土台の一部として綺麗なサンゴ達の中にその姿を消していく・・・。

ベニヤの戦闘機・・・


もうじき、64回目の慰霊の日を迎える。

僕らは海に潜れるダイビングと言う手段が使えるのに・・・、一体この沖縄の海で何をしているのだろうか・・・・。

レジャー活動でのダイビングと、社会活動でのダイビングの狭間で、次世代の未来とプライドをかけて考えることが多くなる毎日である・・・。

※写真画像は沖縄タイムス、戦史資料、Webサイトなどからお借りしました。

※6月24日の沖縄タイムスで、僕の社会活動としてのダイビングシーンの一部を特集で取り上げていただ
 くことになりました。
 是非ご覧下さい。



O2DIVE OKINAWA/旭潜水技研
http://www7.ocn.ne.jp/~o2dive


同じカテゴリー(海底戦跡)の記事
【圧壊】・・・
【圧壊】・・・(2023-06-23 23:30)


Posted by TAKEちゃん at 16:53│Comments(2)海底戦跡
この記事へのコメント
ベニヤで戦うぐらい必死だったんでしょうねー

竹で上陸軍と戦おうと思ってたんだから、その当時のマインドを理解想像するなんてまず無理ですよね・・・。

ましてや、米軍はaboutかも知れませんが沈んだ船全ての座標を持ってるのに対して、日本はまーったく無いことがほんとに悲しいです。
Posted by せらぴぃー at 2009年06月22日 17:50
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

負ければ敗者は当然・・・、でも戦争って勝っても敗者なんですよね・・・。

核でもベニヤでも、どっちにしろ戦争って悲しいことだと思いませんか・・・。

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
Posted by TAKE at 2009年06月22日 22:48
※このブログではブログの持ち主が承認した後、コメントが反映される設定です。
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。