2009年03月02日

機は熟したかな?

ここ最近、調査会の活動が活発になるにつれ「目的意識」が明確になってきたことで、しばらく携わらなくなっていたCCRにまた少し興味を持ち直してきた・・・。

もうあれから何年になるかなー?
CCRで単独で潜っていたK氏が行方不明になってから・・・。

当時、消防の捜索では見つからず、警察の捜索でも駄目だった。
海上保安庁の捜索でも結局見つからなかった・・・。

最終的に行政機関は数日間待って海面に浮くタイミングを見計らった。

その間もほぼ毎日海上保安庁や自衛隊の捜索機が海域付近を上空から捜索に当たっていた。
しかしそれでも、見つからない。

あの目立つ色のカバーを見逃すわけはないはずなのだが・・・。

そして最終的にボクはご家族から直接依頼を受けて民間として水中捜索に出向いた。

正直言って見付けてあげられる自信はあった・・・。

またダイバーの状態やCCRの特性で、浮く方向にある事は間違いなく、それでも海面に浮いてないとすると、水中のどういう環境に未だにいるのかが想像つく・・・。

海域の独特の地形と特性。海域周辺の状況。そしてCCRの特性とダイバー心理・・・。

どれも自分には手に取るように理解でき、そこから辿ったであろうルートがイメージできていたからである。

しかし実際には違っていた。

本来、ダイバーならば辿らなければならないであろう箇所のどこにも痕跡はなかった。
事前情報では、K氏はTrimixは使用していなかったというので、ディリュエントはAirであろう。
と言うことは本来ルールを守っていれば、せいぜい行っても水深は45m以内だと考えた。
念のためにと水深も55mまで捜索範囲を広げたがやはり痕跡はなかった。

穴という穴、物凄く狭い裂け目も含めて徹底的に調べてみたが、結局その姿を見つけることは出来なかった・・・。
状況はボクの想像を遥かに超えたものとなっていた。

今でも心残りのように引っかかっているが、結果的に未だ行方不明と言う状態に変わりはない・・・。

あの時、ボクはCCRダイビングの可能性と、沖縄と言うまだまだ野性味の残った魅力的なダイビングフィールドとの関係性を真剣に考えてみた。

この、まだまだ魅力ある沖縄と言う海洋環境で、もし自分がCCRを背負って正確なブレーキが掛けられなくなったら、多分ボクもK氏と同じ結末をいづれ迎えるのではないだろうかと考えてしまった。
CCRにはそれだけの魅力と可能性を秘めているがゆえに、自分のコントロールを間違えたら多大な犠牲と危険性が付きまとうのである。
CCRを使用するダイバーなら、そんなことは大前提で何を今更と言う話であるが、沖縄の海の魅力と、慣れというものはそれすらもボカしてしまう魅力ある環境なのを僕はよく知っている。
今まで、CCRでの事故が沖縄で殆ど発生しなかったのは、単に使用しているダイバーが極端に少なかっただけであるからだ・・・。
そんなK氏のCCR初の事故は、少なくともボクには違う意味で斬新的でもあったのだ。

それからボクはCCRに携わらなくなった。

イケイケだった自分を押さえる為には、ユニットを手放すことがあの頃の自分には最善だと考えた。
あれば当然使いたくなるだろうから・・・。

あれから数年間、マーケットではCCRの開発や改善も遥かに進み格段に安全性も高まった。

自分自身も少し大人になり(実はおじさんになったということだが・・・)、周囲に翻弄されることなく自分を正しくコントロールできるようになったと思う。
そして何よりも、当時と違い「明確な目的意識」がハッキリと出来上がった。
取り分け目的を共にするメンバー達が伴ったことは大きな飛躍とメリットである。

期は熟したというところだろうか!

と言うことで最近CCRの再始動を考える今日この頃であった・・・。



O2DIVE OKINAWA/旭潜水技研
http://www7.ocn.ne.jp/~o2dive




Posted by TAKEちゃん at 14:28│Comments(3)
この記事へのコメント
「それからボクはCCRに携わらなくなった。」

深いですね・・・

読んでて涙が出てきました。氏の残っているサイトを見て依頼です。

何を隠そうリブリーザーの事を詳しく調べるようになったキッカケは、辺戸岬で杉浦さんに初めてお会いし、いろんな機材に出会うと同時にこの事故の事を聞き(その時お名前はお聞きしなかったので)調べまくった結果、行き着いた先に保存されていたサイトを発見したからでした。

命大切に、今年次のステージに上がれるよう切磋琢磨していきたいと思います。
Posted by せらぴぃー at 2009年03月03日 00:05
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

ダイビング器材はあくまでも「道具」であって、潜るポイントは「フィールド」です。

フィールドによって道具は使い分けなければなりません。

使えない道具は提案しないし、潜れないフィールドは提供しない・・・。

と言うことは・・・・・なんですよ! せらぴぃーさん!

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
Posted by TAKE at 2009年03月03日 11:16
ですよね!

連れて行ってください!アンドロメダへ!!!

by鉄郎
Posted by せらぴぃー at 2009年03月04日 12:19
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