
2008年08月20日
えっ!ボク待ち・・・?
今日は散々な「ボク待ち」の一日でした・・・・。
ある特定された種類の生物を、研究のために採取してきて欲しいという、研究機関からの依頼で水深55mで採取作業のために今日はテック装備で潜りました。
朝9:00にお店に集合という事で、AM8:00位から店内で器材の準備をしていました・・・。
ところがAM8:20位には、その研究者のバディーが来てしまい、待たせてはいけないと慌しく器材をBOXにぶち込んで、いざ出発!
実はすでにここから本日の「ボク待ち」が始まっていたのです・・・。
現場に到着してみると、ポイントは若干の荒れ模様。
しかし男二人だし、この程度の波だったらと、予定を決行!
セッティングも完了しWタンクのバルブを開けてみると、なんと「ブシュー」っと、プライマリー側が結構な勢いでフリーフローしてるではありませんか!
「おかしいな、一昨日潜ったときは全く何も問題なかったのに・・・」。
こんな時何も変わらないと自分が一番よく知っているくせに、やっぱり2ndステージを叩いてみたり、タンクバルブを開けたり閉めたりと・・・。
でも当然状況は一向に変わりません。
フローの仕方が、完全に1st内の高圧シートが飛んだか、中圧が決まらないという状態なのがわかりました。
おまけによく見てみると、2ndのマウスピースを留めているタイラップも外れてなくなっていたのです。
今までのダイビングライフでこんなことは一度もありませんでした。
なんだか不吉な予感・・・。
ちょっと言い知れぬ不安を感じ、一旦は中止も考えたのですが、もう一方のバディーはすでにリブリーザーを背負って、炎天下の中「ボク待ち」状態・・・。
一応講習のときは「そんな不安要素がある場合は、即ダイビングは中止しなさい!絶対中止しなさい!」と教えているにも拘らず、到底断れる空気でもありません・・・。
急遽その場で、プライマリー側からインフレーターホースをバックアップ側に付け替え、プライマリー側のバルブだけ閉めて、その他のバルブはもちろん全開。
要はバックガスはバックアップだけで、後は左脇のステージボトルと併用しながら潜ることにしました。
「よしこれでOK!何とかいけるな!」と思いきや、今度は自分の腕にコンピューターがないことに気が付いたのです・・・。
店のカウンターの上に忘れてきたのです・・・。
さすがコンピューターがないことにはマズイぞ・・・、と度重なる自分の準備ミスを悔みながら「すいません今日は・・・」と、言い掛けたのですが、インスピレーションを背負ったまま汗だくになってジーっと「ボク待ち」状態の彼を今一度見たら、やっぱり断れません・・・!!!!
たまたま近くにいた知り合いのダイバーに、「まさかスペアのコンピューターなんて持ってないよねー!」と聞くと、「あるよ!」と答えるではないですか・・・。
テックダイバーでもないのに、普通スペアコンピューターなんて持ってないだろーに!
なんだか複雑な気持ちでコンピューターをお借りして、エントリー口へ・・・。
水面はさっきより荒れ模様・・・。
この波でタンク4本取り付けてエントリーはきついなー!
でも、もう後戻りできません!
灼熱の炎天下と、装備の重さと、ここまで歩いてきた運動量と、「ボク待ち」の待たせてしまったプレッシャーなどで、呼吸は乱れっぱなし!波に揉まれ半ば溺れ掛けながらも何とかエントリーしちゃいました!
入っちゃえばこっちのモンだってな感じで・・・。
そのまま二人で50mまでゆっくり辺りを探索しながら潜降。
海底に到着すると更にダラダラと斜面を下り55m付近まで降りていきます。
業務なので、採取シーンの画像は撮っておかないと・・・、ん?・・・、あれ?・・・。
何度いじってもなぜか僕のカメラはハレーションを起こし、画像が白っ飛びしてしまいます。
なんで?
やーな感じ・・・。
本当に今まで一度もなかったトラブルばかりが今日凝縮したように起こりまくってます・・・。
しかもダメだと思いつつ、55mの水底でそれを考えてしまいました・・・。
セオリーとして、こんなとき、絶対ネガティブなことを考えては駄目なのです!
いつもと違う要因を考えれば考えるほど人間なぜかネガティブ要素が膨らむだけで、更にそれがストレスとなり蓄積していってしまうからです。
一方バディーは、黙々とターゲットを採取してます。
しかも窒素酔いするからと、彼はCCRで更にトライミックスを吸っています。
約55mでボトムタイムは既に20分は経過していました。
左脇のステージボトルも残りわずか、既にバックアップのないバックガスに切り替えました。
「今自分をコントロールできなかったら、きっと死ぬんだろーなー」。
「いやいや冗談じゃない、たかが55mで?」。
「溺死かな?運良くて減圧症で済むかな?」。
「バーカ、どっちも嫌じゃ!、普段通りに俺は水から上がるの!」
僕は窒素酔いに強い方なので、物理的には酔ってはいないけど、こんな一人芝居を自分の中ではじめてしまうのは、間違いなく朝からの「ボク待ち」プレッシャーや、たまたま重なったトラブルや現象。
そしてエントリーまでの肉体的疲労。
それが、もしかして気が付かない窒素酔いと重なり、精神的にネガティブ要因を作り出してしまったのかもしれない・・・。
ちょっと勉強になったかも!
日々経験と勉強だなー!
計画していた55mでボトムタイム30分が経過。
二人で浮上を開始しました。
でも彼はCCRだし、トライミックス。
減圧プランが違うので、36mでお別れ・・・。
その後、段階的に約60分間の減圧停止中、一人ぼっちになれたことがちょっと楽だったかも・・・。
気楽というか、なんと言うか・・・。
さて、浅場まで戻る頃にはすっかりネガティブ君は消え去り、予定深度で純酸素に切り替えて、酸素減圧を始めたその先に、彼がプカプカ浮遊しながら待っていましたー!!!!
CCRなのでとっくに減圧は終わっているはずなのにー!!!!
思わず心の中でこう叫びました!
「もうボクを待たないでー」って・・・。
しかし今日は、ダイビングの基本中の基本と、テックダイブの心得などを心底再認識させられた一日でした。
そして、プレッシャーが招く恐怖・・・。
恐るべし「ボク待ち」!
PS : というわけでしばらく画像なしです!
O2DIVE OKINAWA/旭潜水技研
http://www7.ocn.ne.jp/~o2dive
ある特定された種類の生物を、研究のために採取してきて欲しいという、研究機関からの依頼で水深55mで採取作業のために今日はテック装備で潜りました。
朝9:00にお店に集合という事で、AM8:00位から店内で器材の準備をしていました・・・。
ところがAM8:20位には、その研究者のバディーが来てしまい、待たせてはいけないと慌しく器材をBOXにぶち込んで、いざ出発!
実はすでにここから本日の「ボク待ち」が始まっていたのです・・・。
現場に到着してみると、ポイントは若干の荒れ模様。
しかし男二人だし、この程度の波だったらと、予定を決行!
セッティングも完了しWタンクのバルブを開けてみると、なんと「ブシュー」っと、プライマリー側が結構な勢いでフリーフローしてるではありませんか!
「おかしいな、一昨日潜ったときは全く何も問題なかったのに・・・」。
こんな時何も変わらないと自分が一番よく知っているくせに、やっぱり2ndステージを叩いてみたり、タンクバルブを開けたり閉めたりと・・・。
でも当然状況は一向に変わりません。
フローの仕方が、完全に1st内の高圧シートが飛んだか、中圧が決まらないという状態なのがわかりました。
おまけによく見てみると、2ndのマウスピースを留めているタイラップも外れてなくなっていたのです。
今までのダイビングライフでこんなことは一度もありませんでした。
なんだか不吉な予感・・・。
ちょっと言い知れぬ不安を感じ、一旦は中止も考えたのですが、もう一方のバディーはすでにリブリーザーを背負って、炎天下の中「ボク待ち」状態・・・。
一応講習のときは「そんな不安要素がある場合は、即ダイビングは中止しなさい!絶対中止しなさい!」と教えているにも拘らず、到底断れる空気でもありません・・・。
急遽その場で、プライマリー側からインフレーターホースをバックアップ側に付け替え、プライマリー側のバルブだけ閉めて、その他のバルブはもちろん全開。
要はバックガスはバックアップだけで、後は左脇のステージボトルと併用しながら潜ることにしました。
「よしこれでOK!何とかいけるな!」と思いきや、今度は自分の腕にコンピューターがないことに気が付いたのです・・・。
店のカウンターの上に忘れてきたのです・・・。
さすがコンピューターがないことにはマズイぞ・・・、と度重なる自分の準備ミスを悔みながら「すいません今日は・・・」と、言い掛けたのですが、インスピレーションを背負ったまま汗だくになってジーっと「ボク待ち」状態の彼を今一度見たら、やっぱり断れません・・・!!!!
たまたま近くにいた知り合いのダイバーに、「まさかスペアのコンピューターなんて持ってないよねー!」と聞くと、「あるよ!」と答えるではないですか・・・。
テックダイバーでもないのに、普通スペアコンピューターなんて持ってないだろーに!
なんだか複雑な気持ちでコンピューターをお借りして、エントリー口へ・・・。
水面はさっきより荒れ模様・・・。
この波でタンク4本取り付けてエントリーはきついなー!
でも、もう後戻りできません!
灼熱の炎天下と、装備の重さと、ここまで歩いてきた運動量と、「ボク待ち」の待たせてしまったプレッシャーなどで、呼吸は乱れっぱなし!波に揉まれ半ば溺れ掛けながらも何とかエントリーしちゃいました!
入っちゃえばこっちのモンだってな感じで・・・。
そのまま二人で50mまでゆっくり辺りを探索しながら潜降。
海底に到着すると更にダラダラと斜面を下り55m付近まで降りていきます。
業務なので、採取シーンの画像は撮っておかないと・・・、ん?・・・、あれ?・・・。
何度いじってもなぜか僕のカメラはハレーションを起こし、画像が白っ飛びしてしまいます。
なんで?
やーな感じ・・・。
本当に今まで一度もなかったトラブルばかりが今日凝縮したように起こりまくってます・・・。
しかもダメだと思いつつ、55mの水底でそれを考えてしまいました・・・。
セオリーとして、こんなとき、絶対ネガティブなことを考えては駄目なのです!
いつもと違う要因を考えれば考えるほど人間なぜかネガティブ要素が膨らむだけで、更にそれがストレスとなり蓄積していってしまうからです。
一方バディーは、黙々とターゲットを採取してます。
しかも窒素酔いするからと、彼はCCRで更にトライミックスを吸っています。
約55mでボトムタイムは既に20分は経過していました。
左脇のステージボトルも残りわずか、既にバックアップのないバックガスに切り替えました。
「今自分をコントロールできなかったら、きっと死ぬんだろーなー」。
「いやいや冗談じゃない、たかが55mで?」。
「溺死かな?運良くて減圧症で済むかな?」。
「バーカ、どっちも嫌じゃ!、普段通りに俺は水から上がるの!」
僕は窒素酔いに強い方なので、物理的には酔ってはいないけど、こんな一人芝居を自分の中ではじめてしまうのは、間違いなく朝からの「ボク待ち」プレッシャーや、たまたま重なったトラブルや現象。
そしてエントリーまでの肉体的疲労。
それが、もしかして気が付かない窒素酔いと重なり、精神的にネガティブ要因を作り出してしまったのかもしれない・・・。
ちょっと勉強になったかも!
日々経験と勉強だなー!
計画していた55mでボトムタイム30分が経過。
二人で浮上を開始しました。
でも彼はCCRだし、トライミックス。
減圧プランが違うので、36mでお別れ・・・。
その後、段階的に約60分間の減圧停止中、一人ぼっちになれたことがちょっと楽だったかも・・・。
気楽というか、なんと言うか・・・。
さて、浅場まで戻る頃にはすっかりネガティブ君は消え去り、予定深度で純酸素に切り替えて、酸素減圧を始めたその先に、彼がプカプカ浮遊しながら待っていましたー!!!!
CCRなのでとっくに減圧は終わっているはずなのにー!!!!
思わず心の中でこう叫びました!
「もうボクを待たないでー」って・・・。
しかし今日は、ダイビングの基本中の基本と、テックダイブの心得などを心底再認識させられた一日でした。
そして、プレッシャーが招く恐怖・・・。
恐るべし「ボク待ち」!
PS : というわけでしばらく画像なしです!
O2DIVE OKINAWA/旭潜水技研
http://www7.ocn.ne.jp/~o2dive
Posted by TAKEちゃん at 18:52│Comments(0)
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