2022年06月21日

これはマジで危ない!

サイドマウントダイビングで使っていた器材のあるお客さんから "ダイビング中突然吸えなくなったからちょっと観て欲しい!"と、店頭にレギを持って来られました・・・。

これはマジで危ない!

そのレギはAPEKSのXTX-200ですが、計測しても1st中圧値異常なし、ドリフトなし、2ndフリーフローなし・・・? 一体何が問題だったのか?
至って正常です・・・。

何度やっても特におかしいところもなく、その時は点検計測だけで一旦お預かりしました・・・。

後日順番が回ってきてOHへ・・・と、再び一旦エアーを通してチェック。

すると2ndからシューっとフリーフローをしていました・・・。

これはマジで危ない!

あれっ?先日検査した時は特に何も無かったのにフローしている・・・。

でもまぁ、最後に調整かけるからと、特に大きく気にもせず分解・洗浄・組上げ、調整へと・・・。

そして調整後、最後に接続ホースを本締めしてフェイスカバーを締め直して完成!

組み上げた後に最終にもう一度確認のエアー通し・・・。

するとシューとフローしています・・・。

あれっ?当たりがズレたのかと思い、再び2ndを開けてみると、デマンドレバーの付いているバランスチャンバーごと、少し斜めに傾いていました。

その傾きによってダイアフラムと接するデマンドレバーのクリアランスが変わってしまい、結果的にレバーがダイアフラムに押されているような形になってしまっていたのです・・・。

これはXTXに限らず昔からAPRKS全般のシリーズに言える事で、バランスチャンバーの根元がLPホースとダイレクトに接続される構造が故に、ホース接続で締め込む際の力方向や、ダイビングで使用している際に偶然かかるねじれ等の回転方向の力などで、このバランスチャンバー事引っ張られて2ndケース内で傾いてしまいます。

これはマジで危ない!

本来その傾きや回転が起こらない様にバランスチャンバーがケース内に収まる部分に回転防止の形状や突起が出来ているのですが、TX時代からAPEKSの2ndだけはその回転防止の形状寸法精度と材質が少し甘く、ダイビング中しょっちゅう動いて傾くので、私は昔からその傾きで出来る遊びをはじめから計算して調整をかけていました。

しかしXTXになってから、テックやサイドマウントスタイルのニーズも意識して、ホースを左右どちらからでも取り付けられるようにデザイン変更されてから、この問題の形状部分が独立したパーツとして取り外せて左右どちらにでも移動できるような互換パーツになってから、その問題が余計ひどくなった結果だと思います。

たたでさえ遊びが大きかったところに、材質も更に柔らかい材質を使っているのでしょうか?

チャンバーが傾くどころではなく、更に強い力がかかった時には完全に90°直角まで回ってしまうのです。

そうすれば当然、完全にダイアフラムからレバーが当たる位置が離脱してしまうので、こちらのオーナーが言っていた「エアーが出てこない!」
「吸えない!」という現象が起こったのだと思います。

これはマジで危ない!

ただ、また反対方向に力を咥えてホースを回せばチャンバー自体やレバーも元の位置に戻るので、フェイスカバーを開けても原因が分からない・・・、という現象だったのだろうと推測されます・・・。

特にサイドマウントダイビングの場合、両脇に抱えたタンクにレギとホースを添わせてバンドに治めて収納するので、結構頻繁にホースをグニッと曲げてバンドに挟んだり、引っ張り出したりとを繰り返す事が多いので、まだ慣れないでスムースに出来ない方は慌てて力ずくで引っ張り出したり、手探りでぐりぐりバンド内にしまい込もうとする為、こういった予想外の力がかかり、結果「吸えない」というトラブルが発生したのだと思います。

ちょっと画像ではわかりずらいのですが、実際この器材のその部分を見てみると、プラスチック部品が接触するチャンバーの金属で削られているのが分かるので、継続的に無理やりの力でひねって回転させていたのが分かります。

その他のメーカーのモノは、全てここの部分に関してはそんな回転防止を考慮したデザイン設計と材質を使っていますが、APEKSだけはそれに関してはおざなりです・・・。

これは大きな事故に繋がりかねない完全にメーカーの瑕疵になると思われるので早い改善が求められますね。

私も大分以前から知っていたグレー部分ではありましたが、今回明らかに最悪の「エアーストップ」という事例にまでなる事を知った事で、対応策を早急に講じるよう求めたいと思いますね。




アサヒセンスイ
http://asahi-scuba.jp




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