てぃーだブログ › ★★★ アサヒセンスイの潜りと器材の日々 ★★★ › ダイビング全般 › ダイブツアー › 器材 › オリジナル製品 › 旭面 › ガテン系マスク › ものづくりで "少女の思い" を ・・・!

2022年03月12日

ものづくりで "少女の思い" を ・・・!

今日は一つ良い知らせがありました・・・!

ものづくりで 少女の思い を ・・・!

4年前に、ある大学に入学したばかりの一人の少女から突然のメールを貰いました・・・。

「私にも使えるマスクを作って貰えませんか!」・・・という突然の不思議な1通のメールでした・・・。

どういう事なの意味が理解できず、まずは返信して尋ねました・・・。

ものづくりで 少女の思い を ・・・!

聞くと、最近頭骨のこめかみの上あたりの血管を拡張させる手術を行い、バイパスのようなステントが挿入されたらしくそれが頭骨の表面に多少盛り上がり、一般的なダイビングマスクなどを装着するとストラップがその部分に当たって干渉してしまい血流を阻害してしまう恐れがあるとの事で、担当医師からダイビングどころかスノーケリングも諦めるように言われてしまったとの事でした・・・。

ものづくりで 少女の思い を ・・・!

小さい頃から毎年夏休みに両親と一緒に沖縄旅行に来る事が唯一の楽しみで、その目的がサンゴ礁に戯れるトロピカルな奇麗な魚たちをスノーケリングで泳いでみる事が毎年の楽しみで、その頃から「絶対に大学に入学出来たらダイビングのライセンスを取って水中を潜るんだ!」という夢を目標に勉学に励んで頑張ってきたところ、直前でまさかの頭骨内の血管の病気になってしまい大きな手術を受ける事になってしまったとの事・・・。

病気自体は手術で解決出来たとの事で、物理的にダイビングも可能ではあるが、唯一使用する道具としての "マスク" だけが問題になり、しかもストラップの干渉というそれだけの理由で長年楽しみに温めてきたダイビングライセンスの取得をどうしても諦めきれないと彼女なりの切実な思いでした・・・。

ものづくりで 少女の思い を ・・・!

きっとウチみたいなマイナーな企業にまで探して連絡してきたのだから、その前には当然知られたメジャーなメーカーさん達に散々断られ門前払いされてきたのだろうと察しました・・・。

丁度その頃、私がモズク漁師の為に「旭面」を復刻製造させて、少しローカルで話題になった頃で、そんな記事やネットニュースを見付けてダメもとで連絡してきたんだろう・・・。

私に断る理由は見つかりませんでした・・・。

ものづくりで 少女の思い を ・・・!

そして別件で関西に出張の用事があったタイミングで、待ち合わせした大阪で直接その本人に会いました・・・。

マクドナルドの店内で待ち合わせ、そのまま話をもう一度聞くとともに店内で本人の顔と頭の寸法を図り問題の頭骨箇所も直接拝見させてもらい実際に取り掛かる決心を致しました・・・。

今では3D CADやそれこそ3Dプリンターも設備機械としてあるので色々素早く取り掛かれたのでしょうけど、当時はまだそんなものは一切なく、抱えている課題と完成品の絶対条件を書き出し、ノートに鉛筆でイメージイラストをスケッチしては消してスケッチしては消してを繰り返しました。

そして一般的なマスクのように左右横のストラップでマスク本体を顔に押し付けて支えなくても顔に保持できる構造と仕組みを考え、FRP樹脂を立体造形して切ったり削ったりしながら約3~4カ月かけて完成させました・・・。

ものづくりで 少女の思い を ・・・!

そんなこと今までやった事は無かったのですが、もし私が作った道具で万一があっては絶対ならないので物凄い責任とリスクをいきなり背負ってしまった事でそれはそれは真剣な毎日でした・・・。

ようやく完成し、最後は直接本人に装着してもらい実際水中で使用して私自身で確認しなければなりません・・・。

夏休みにまた沖縄旅行で来沖してもらったタイミングでこちらで合流し、ホテルのプールで体験ダイビングを行いながら実際マスクを装着して潜ってもらい、私自身も自分の目で直接確認が取れたので良しとしました・・・。

そして無事納品・・・。

彼女は大変喜んで私の作ったオリジナルのサポートマスクを持って帰っていきました・・・。

それから数カ月して、大学内のダイビングサークルで、専用マスクを使い無事オープンウォーターライセンスが取れたと連絡を貰いました・・・。

その後も大学のツアーなどで何回かファンダイビングに出かけたのだと思いますが、それからまさかのコロナ・パンデミック・・・。

必然的に旅行もダイビングも遠ざかってたいた事でしょう・・・。

そして今日、久しぶりに潜りました!あの作って貰ったマスクも一緒です!・・・と、水中写真を送ってきてくれました!

ものづくりで 少女の思い を ・・・!

あのオリジナルのサポートマスク、確かに今でも健在でした・・・!

水中写真だけでも、今では何だか大人っぽくなったように見取れますが、あの時はまだ大学入りたての学生少女でしたので、材料代だけで大して代金も頂かなかったのですが、でも数年経って今こうして改めて連絡頂けて無事楽しんでダイビングがてきてます! という言葉をもらえただけで、あ~あれでよかったんだなー・・・とつくづく報われた思いが致します・・・。

ものづくりをして、お金よりももっと価値のある何かを得られたのは実は私の方でしたね・・・!





o2dive/旭潜水技研
http://asahi-scuba.jp



同じカテゴリー(ダイビング全般)の記事

※このブログではブログの持ち主が承認した後、コメントが反映される設定です。
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。